ケロ族の手仕事 ― アンデスの大地から生まれる織物
ペルー・アンデスの高地に暮らすケロ族にとって、織物は単なる生活用品や装飾品ではありません。
それは、大地とともに生きる暮らしの中から生まれる、先祖から受け継がれてきた大切な文化です。
ケロ族の織物づくりは、まずアルパカを育てるところから始まります。
標高の高いアンデスの厳しい自然環境の中で大切に育てられたアルパカから毛をいただき、それを丁寧に選別し、洗い、ほぐし、一本一本の糸へと紡いでいきます。
そして、植物や樹木、鉱物など、自然界に存在する素材を使って糸を染めます。
鮮やかな色彩の一つひとつにも、アンデスの自然が息づいています。
染め上げられた糸は、機械ではなく、昔ながらの方法で一枚一枚、手織りされます。
模様や色の組み合わせには、ケロ族が暮らすアンデスの大地や山々、自然、そして彼らが受け継いできた世界観が表現されています。
一枚の織物が完成するまでには、多くの工程と長い時間が必要です。
そのすべてが、人の手と自然の恵みによって生み出されています。
だからこそ、ケロ族の織物には、工場で大量生産されたものとは違う、手仕事ならではの温かさと、一点一点異なる表情があります。
糸の太さや色合い、織りのわずかな違いも、その作品が「誰かの手によって生まれたもの」である証です。
この織物を手にするとき、ぜひその美しさだけでなく、そこに至るまでの長い時間と、アンデスの大地で暮らす人々の営みにも思いを馳せてみてください。
一枚の織物の中に、アンデスの自然と、ケロ族の人々が受け継いできた時間が織り込まれています。